大失敗

 深夜3時に携帯がなる。もうそれだけで面倒が起こったことだけはわかる。家族だったら家電にかけてくるだろうからそれ以外のところからだな。
 出てみたら会社からだった。そういえば今日立会いがあったな。なんだろうと思って用件を聞いたら、俺の作ったプログラムでシステムが落ちたとのこと。どうしたらいいと思うと聞かれる。
 ここで、「俺には決定権ないっすから」で終わらせられたら非常に簡単なのだが当然そうはいかない。というか俺に決定権がないことなんて先方にしてみりゃ言われるまでもないわけで、俺が求められているのはそういうことではないだろうし。原因解明を待って処理全体が遅れることのデメリットと、現在の処理を切り離すことで生じるデメリットを述べて、個人的意見として後者のほうを採用することを一応薦めておく。その場合、切り離した処理に関するリカバリは自分がおこなうことを約束してひとまず電話を切る。
 5時過ぎ再び電話。前回の電話のあと、上長の許可のもと問題の処理を切り離して続行したとのこと。また、原因がわかって、しかも即対応が可能だったのでリカバリ作業もしておいたとのこと。流石ベテラン。ありがたい。原因を聞いてみると、どうも仕様に漏れがあったためだと解る。
 「じゃあ仕様書書いた人の責任ということで・・・」などといって済む話ではこれまた当然ないわけで。というか、俺はコード組んでるときにその仕様漏れに気付いて、設計者にそういう漏れがあったのでこういう対応しましたよ、と口頭で伝えて修正したんだよな。ただ、その修正だけじゃ不完全だったのだが。変更を文書化せず、しかもお互いレビューすることなくスルーしてしまったというところがクルーシャル。へこんだ。