祖母の七回忌

先週末、母方の祖母の七回忌に出席して来た。父の「長時間坐っているのは嫌だから、お前一人で行って来てくれ」という指令のもと、会社行くときより早く起きて正装をして行って来た。
孫のみが出席した家はうちだけだった。
「長時間坐る」のが苦になっているのはどうやら皆同じだったらしく、叔父、叔母満場一致で椅子を使用することにした。
法事はつつがなく終了し、会食の席。叔父や従兄弟は車を運転するため、酒は飲まず、叔母たちは酒が飲めない(唯一の例外は私の母。我が両親は酒飲みとして親戚中で有名。酒席では必ず話しに上がるため、私的には少々肩身が狭い)。その場で普通に飲めるのは私と従兄弟の嫁さんのみ。じゃあ、酒頼まなければいいじゃないかと思うのだが、困ったことに人に酒注ぐのが大好きという叔父がおり、叔父を満足させるために二人でビールを瓶単位で消費するはめに。
その上、その席では最年少の私に、「医者に止められてるから」とか「歯が弱くなってかめないから」といった風に大量の料理がおりてくる。
孫の代の人間が少ないからか、話題にあがる祖母の思い出話はいつもよりも古い時代の話が多かった。私の生まれる数十年前に亡くなった祖父の話が出て来たのが新鮮だった。
話はいつの間にか災難話に移行して行った。泥棒が入った話しとか、体のどこそこにガタがきたとかいう話。自然と話題はちょうど一年前にくも膜下出血でたおれた叔父の話になる。肉体的にはかなり早い回復を果たしたのだが、記憶が一部かけているらしい。ちょうど倒れたときから手術を受けたという記憶がさっぱりないらしい。
叔父は唯一の趣味がマラソンという人なのだが、当然医者に止められている。なので散歩で我慢しているのだが(といっても毎日15キロは歩いているらしいが)、どうしても走りたくなって、ある日医者に、その結果何がおこっても後悔しないので、自己責任ということで走りたいと陳情したらしい。
医者の先生は「自己責任とおっしゃいますが、奥さんや息子さんがどれほど心配し、大変だったかお分かりですか」とさとしたらしい。
それに答えて叔父曰く「いやあ、私そのころの記憶ないんでわかんないですね」。
説教くらったらしい。なんつうか、天然でそういう台詞がでてくるあたり、我が母の兄だなあと。
食事の後、ちょうど帰り道の途中にある叔父の家によって休憩を取らせてもらう。そこで叔母が電話で私の母に法事が終了したことを報告した。
「おかげさまで無事終了しました。・・・え、何言ってるのよ」という不穏な受け答えを叔母がしている。ああ、また素っ頓狂なことを言ったんだろうな、マイマザーは。
「そうよ、今日よ。今日」
ああ、もうわかった。何言ったんだか完全に理解した。出席しないとはいえ、自分の親の法事の日にちくらいちゃんと把握していてくれよ(曜日と日にちの感覚が全くないという可能性もあるが)。