神田明神

御茶ノ水から聖橋を渡り湯島聖堂を横目に見つつ進むと見えてくるでっかい鳥居。その先にあるのが神田明神大己貴命、そして平将門公ゆかりのこの神社は根津の権現、六義園と並んで最も頻繁に足を運ぶ場所だったりする。
別に初詣というわけではない。それは元日に源覚寺ですませた。ただなんとなく行ってみたのだが、人が多い。出店まで出ている。流石は三が日を過ぎたとはいえいまだ松七日である。
うっとおしいので人ごみをさけて本殿の周りを散策して帰る。
さて、この神田明神の境内にはいくつかの碑や社が存在している。その中には超有名人(達)を記念したものがあったりする。歴史上の人物ではないが、当然この地ゆかりの人物である。とはいっても神話上の人物でもない。明神下の長屋に住んでいた永遠の31歳(ただし初期作品は除く)、銭形平次(+α)である。野村胡堂の「銭形平次捕物控」の主人公というよりは、時代劇ドラマの主人公と言ったほうが自然に響くだろう(原作なんてあったの?と言う人も結構いるのではないだろうか)。
平次の記念碑は本殿の裏手に立っている。地面の部分が投げ銭になっているのがこっているが、私が非常に気に入っているのがそのとなりに立つガラッ八こと八五郎の記念碑。「親分、てえへんだあ」とばかりに毎度事件を持ち込んでくる、力は強いがあわてものというこの愛すべき脇役の碑は、平次と比べると格段に小さく、その脇にちょこんと立っている。それがいかにも「八」という感じなのである。