拳銃無頼帖 抜き打ちの竜

 「拳銃無頼帖 抜き打ちの竜」を見た。トニーこと赤木圭一郎(トニー・カーチスに似てたからだそうですな。柳葉一郎をジョニーと呼ぶよりはずっと解る)が主演の1960年の日活映画。
 ストーリーはあるにはあるが、見所は主人公の赤木圭一郎とライバルの「コルトの銀」を演じる宍戸錠のかっこよさなのでどうでもいいと思う。
 どこかかげりのある二枚目の赤木圭一郎は見た目どおりのかっこよさ。早撃ちの名手で、相手の利き腕を打ち抜くことで相手を殺さずに勝負を収める竜二。ルガーを撃ちまくっているのだが人殺しは一切しない。
 一方の「コルトの銀」は狙うのは心臓。狙った相手は必ずしとめる殺し屋。若き日の宍戸錠赤木圭一郎とは違ったヒールとしてのかっこよさがある。おどけた仕種や不適な笑顔が非常にはまっている。
 悪役の中国人マフィアを演じるのは西村晃。私と同世代だとまず間違いなく「二代目水戸黄門」とイコールで結ばれる人だが、うさんくささ抜群のいい悪者っぷり。ヒロインの浅丘ルリ子を含め主演陣がとてもよい。逆に言えばスターで持っているということになり、シリーズ物が多く続くのはそのあたりに密接に関係しているんだろうな。