私はずっと台風は英語の「typhoon」から来た言葉だと思っていた。多分小学校辺りの先生の雑談が情報源だと思う。
先日内田百輭の「大風一過」(百輭集成「残夢三昧」収録)を読んでたら次のような一節にぶつかった。

颱風は暴風雨の中でその烈しさが第二位にくらいするものだそうで、第一番は「颶風」である。〜颶風の次位と云われる颱風は、その字はもとから字引にあったが、晩夏初秋の候に南支那海に発生するタイフーン typhoonに音が似通っているので、その訳語の様に転用され、颶風の座を奪って今日の如き一般の慣用となった

じゃあ、typhoonの語源ってなんだろう。とりあえず手近にあったリーダーズを引いてみる。こうあった「Chin=great wind,and Arab」。中国語のほうは「大風」とかだろうな。アラビア語にも語源と思しき単語があるのか。とりあえず根拠はないが、そのアラビア語も中国語も起源的に関係してそうだな。
おなじく「残夢三昧」に収録されている随筆の「忘れ貝」に百輭氏が小石川に住んでいた頃、鳩山一郎が選挙の票固めでやってきた話がある。そろそろ都議選で、一郎氏の血筋にあたる太郎氏がやはり文京区から出ていることを考えると、この一族はえらいこと長く政治家やってんだなあと。太郎氏の経歴なんかはたいして知らんが(前回の選挙の応援車のおかげで妹が花子で弟が次郎(二郎?)だというのは知ったが)、そういう名門の人は何回か落ちとくといい経験になるかもなあとおせっかいなことを考えてしまった。我ながら嫌な選挙民ですね。