香山滋「不満袋」

いまに始まったことではないが、青少年犯罪のあくどさ、無謀さを、なにかといえば、探偵小説の影響のように言い立てられる。つかまった犯人も、その言いひらきのひとつに、必ずといっていいほど、探偵小説からヒントを得てやった、とうそぶく。
そんな連中が、いったい、探偵小説を読んでいるだろうか?

いまだと完全にゲームがその代役をつとめているね。私も江戸川乱歩展で、犯人が乱歩の小説にヒントをえて・・・的なことを語っていたという事件記事の切り抜きが展示されているのを見た。
香山はこの後探偵小説の持つ文学性へと話を持っていくが、今となっては、それはそれで大仰な印象を受けるんだよな。