ツェッペリン焼き

筑摩の都筑道夫恐怖短編集成の「阿蘭陀すてれん」に収録されている「春で朧でご縁日」でかつて「ツェッペリン焼き」なるものが存在していたことを知った。

ツェッペリン焼は、鯛焼の鯛が飛行船のかたちに変ったもの、と思えばいい。昭和四年、ツェッペリン伯爵号が、東京の空に来航したのを当てこんで出来て、十年代までは縁日で見られた今川焼の一変種だ。