新聞売りの台詞

古本屋でフィッツジェラルドの「ラストタイクーン」(最後の大君」と訳されることも多い)が安価であったので購入。
この作品はフィッツジェラルドの絶筆で未完成の作品。ただ、未完成ゆえの魅力もあってか、著者の傑作に挙げる人も多い。私が大学時代に教わったフィッツジェラルド専門の先生も同様で、もし完成していたらギャツビーとまではいかなくとも、かなりの傑作となったと思うとおっしゃっていた。
まあそれが懐かしくて買ったようなもんだが。
フィッツジェラルドの長編が苦手(何か読みづらいのだ。短編は嫌いではないが)な私でも序盤および、付属の覚書を見る限りでは結構よさげな感じだった。
妙に気になったのが次の部分

信号が赤で、車を止めると、新聞売り子が羊のような声で彼に言った。「ミッキー・マウス殺害さる!ランドルフ・ハースト中国に宣戦布告!」

ちなみにハーストは当時の大メディア王。ウェルズが市民ケーンでちゃかした相手として有名(1941年)。
しかし何でミッキーとハーストよ?
この作品が執筆されていた1940年(著者はその年の暮に死亡)はディズニーがファンタジアを上映した年だが何か関係あんのかね(作中の設定年は30年代半ばなので作品中における関係はなし)。wikiで確認したところ、ファンタジアは40年の11月上映とのことなので時期的には微妙か。