「悪魔の性キャサリン」

ハマーフィルム最後期の作品。得体のしれないものが生まれて来るOR子供に宿っているというのはいかにも70年代。単純にエクソシストの2番せんじなだけかもしれないが。
ストーリーは自分の子供を悪魔崇拝カルト教団に渡してしまった男が、オカルト研究家(作家?)ヴァーニーに助けを求めることから始まる。ヴァーニーは作品のネタにその教団の話を提供してもらうことを交換条件に受諾する。
娘自体は簡単に保護できたのだが、教団の中心人物のマイケル神父の魔術によって再度奪い返される。
ヴァーニーは教団があがめている悪魔のグリモアなどを調べて対抗手段を探し、敵のアジトに乗りこんでいく。
全体を通して中途半端。行われている儀式の内容がほとんど説明されないので、切迫感がない。何がどこまで進んだら危ないのかというのがわからないのでスリルなし。同様の理由で最後の対決も結構意味不明。打ち切りの漫画みたいになっている。主人公が娘の父親から頼まれたという間にワンクッション置いた関係なのもそれに拍車をかけているような気がする。他人事といえば他人事だし。
見どころはキャサリン役のナスターシャ・キンスキーとマイケル役のクリストファー・リー
リーは流石看板俳優。不気味な神父役を見事にこなしている。
ナスターシャのほうは演技がどうというよりもある種のお宝的な見どころ。
1.シスター姿
2.悪夢にうなされて苦しんでいる姿
3.脈絡もなく登場するヌード(神父の魔術による幻覚かヴァーニーの幻視ってとこが妥当な解釈)
羅列すると微妙に自分が変態になった気分もしないではないが、非常に美しいです(多分まだ10代)。
ちなみにこの作品、国書刊行会から邦訳が出ていたはず。見たことないけれど。