「魔人ドラキュラ」、「魔人ドラキュラスペイン版」

レガシーボックスはドラキュラから見ることにした。「魔人ドラキュラ」のスペイン版は初見。
 ブラウニング版「魔人ドラキュラ」。最近久しぶりにストーカーの原作を読み直したこともあり、原作との違いが以前より目に付いた。
 というか結構大胆にばっさりといらないところをぶった切っている感じだ。しかしこの映画、ルゴシとレンフィールド役のドワイト・フライでもってるようなもんだよな。ドラキュラサイドに重点を置いた脚本も怪奇映画としてはうまいと思うが、映画に先行して存在している舞台の影響もあるだろうからこの映画特有なのかどうかはわかんないし。
 一方のスペイン版は同セットを使用して違うスタッフ、キャストで撮影したもの。朝〜昼にブラウニングらが使用し、夜にスペイン版を撮っていたとか。ストーリーは全く同じ。映画としてはこっちの方がよく出来ていると思う。というか解りやすい。ブラウニング版より説明チックな台詞やおおきい動き、ストーリーの展開に唐突なところがない。ただ、状況説明が下手なブラウニングのほうがドラキュラに荘厳な雰囲気を与えているような気はする。そしてよく撮れている分ルゴシの不在が逆に強く感じられる(エド・ウッドの作品見てると特に思うが、あの人が存在感ありすぎなんだが)。スペイン版の役者も悪くはないのだが・・・。あと、妙に皆べたべたしているにはラテン系だからか。