ディケンズ「アメリカ紀行」

最近岩波から出たディケンズによるアメリ旅行記。とりあえず5章までは読み終えた。最初の2章で旅立ち、船旅が描かれ、3章からアメリカの描写なのだが、いきなり障害者施設の少女の話が長々と描かれる。興味はたいしてないので斜め読みをして先を急ぐ(ただ、その方面に関心のある人にとっては結構貴重な描写なのではないかと思う)。どちらかというと監獄や精神病院の描写の方が個人的には面白かった。
精神病院のなかで、身なりのしっかりした女性にサインを求められた後、同行していた医者とのやりとり(P170、強調は私)

「私は施設の外でも幾人かのご婦人とあのようなやりとりを何度かしたのを覚えています。彼女はおかしくはないと思うのですが」
「いや、おかしいんです」
「どのような点がですか? サインですか?」
「いいえ。彼女には空からの声が聞こえるんです」
「ほう!」私は思った。「最近同じようなことを言っているインチキ預言者たちを、二、三人ここに放り込むことができればな。手始めに一人か二人、モルモン教徒で実験してみたいものだ」と。

すげえこと言ってるよ。