音読

家にいるとき限定になるのだが、読んでいる本を音読してみることがある。特に詩句の類となるとその頻度が上がる。同居人も慣れているので特に驚いたりしない。
この前、岩波から出た尾崎放哉句集の90ページ辺を音読してみた。自由律に作風が移った後で、俳句の自由律ってどう読めば聞こえがいいのだろうかなどと考えながら次の句を口ずさんだ。

鳳仙花の実をはねさせて見ても淋しい
障子の穴から覗いて見ても留守である
入れものが無い両手で受ける
口あけぬ蛤死んでゐる
咳をしても一人
とんぼの尾をつまみそこねた
墓地からもどつてきても一人

同居人に辛気臭いと怒られた。