セイバーヘーゲン「バーサーカー皆殺し軍団」

表紙を見てまず違和感(ちなみに昭和53年の二刷)。バイキングっぽい格好したおっさんがドラゴンに斬りかかろうとしている。
最初、バーサーカーはもともと北欧神話由来なので、中身みずにそれっぽい表紙描いたのか?と疑ってしまった。これは私が間違い。表紙通りの内容がありました。
とはいえ、「赤方偏移」、「オルフェ」の加藤直之氏の格好良いイラストで刷り込まれている身としては違和感がある。
余談だが、現在出回っている「赤方偏移の仮面」のイラストって変ってるのね。随分サイバーになってるようで。これはこれで違和感。
宇宙大元帥閣下の名言「SFは絵だ」の意味するところを実感した気分だ。
この作品は一応長編として紹介されているが、正確には連作中編。タイムトラベルが可能な惑星を舞台に、過去を改編して人類を滅亡させようとするバーサーカーと人類の興亡を描いている。
一見深い影響のなさそうな行為が重大な影響をその後の世界に及ぼす。ブラッドベリもやったが、この発想自体はオーソドックス。作品ごとに設定をひねってくるあたりは見事だけど、それだったらやはり個人的には短編のほうが好みかな。クオリティ的に劣るわけではないのだけれど。
そういや、デビルマンの外伝でデーモンが同じようなことやってたな。