多羅尾伴内

戦後すぐの片岡千恵蔵のシリーズではなく、78年の小林旭主演のもの。
衆人環視の中でのプロ野球選手、アイドル歌手の殺害事件。背後に見え隠れする謎の怪人。
その怪人の仮面が「怪人物」ではなく、まさに仮面ライダー的怪人な造詣なのに笑ってしまった。
まあそういう荒唐無稽な所を楽しむ映画。ラストで正体をあかし、二挺拳銃を披露する辺りなんかまさにそのままだが、時代活劇ものの現代版。
ストーリー的な部分だと、アイヌ云々をからめる必要あったのかとか、意味のあまりない変装もあったのではないかとか突っ込み所はないではないが、まあ瑣末なこと。
小林旭の七変化を楽しめばよし。
犯人が仮面の怪人のため、ミステリの定番入れ替わりトリックが使われているのだが、これが他の部分と比べると妙に凝っている。
凝っているのだが、ヒントや複線が事前にほとんど無いせいか、微妙にわかりにくい。
(一緒に見ていた同居人曰く「何人いるんだよ?」)
一応最後に謎解きはするものの、他の部分が解りやすい分逆に浮いてしまっている気がする。
なお、私が見たDVDには予告編が2種類おまけとしてついていたのだが、これが面白い。
一つ目の予告編で出てくるシーンのほとんど全て、本編で使われていない。次回作の予告編と言われてもそんなに違和感ないレベル。
2つ目はそれなりに本編に沿っていたが、それでも予告編のみのシーンはそれなりにあり。
カット部分が物凄く多いのか、作り直しが多かったのか、予告編は別撮りでとりあえず先に仕上げたのか、微妙に気になる所。